ぬいぐるみたちよ裏口から逃げろ閉店をしたゲームセンター
/屋上エデン (「あみもの」第一号)
私がもしもゲームセンターの店主だったら、「なに勝手なこと言ってくれとんねん!」ってキレるだろうなあ 。
でも、私はゲームセンターの店主じゃないので、「いいぞ、もっとやれ!」と思いました(笑)
だって、ちょっと見てみたいじゃないですか。ぬいぐるみたちが裏口から逃げるところ。きっとファンシーなんだろうなあ。
ただ、「閉店をしたゲームセンター」とあるから、たぶん深夜ですよね(「閉店」がその日の営業を終えるほうの意味であれば)。
もしそうだとしたら、「ファンシーでかわいい!」よりも「しっ、心霊現象!?怖っ!」という思いのほうが強いだろうなあ。
やっぱり、ぬいぐるみたちに裏口から逃げろと指示するのは止めてください!
ていうか、ぬいぐるみたちに指示している主体は何者なんだ?!
「逃げろ」と命令しているから 、ぬいぐるみたちよりも偉い存在なのだろうか。
「閉店をしたゲームセンター」とあるので、ゲームセンターの従業員とか関係者なのかな。 もしかして、ゲームセンターの店主……?!
だとしたら、目的は何なんだ?!
ゲームセンターに閉じ込められているぬいぐるみたちを哀れんで行ったのかな。
それとも、我々の知らぬ大きな企みが始まるのだろうか ……。
この歌に限らず連作全体がSFチックだから、本当にこの歌のぬいぐるみたちは逃げ出しそうである。
たとえ逃げ出さないにしても、閉店をしたゲームセンターでぬいぐるみたちに対して、裏口から逃げろと指示する人物がこの歌のなかにいるのは確かだ。
何にせよホラーである。
最後に、「閉店」=「店じまい」の場合もあるので、そちらについても考えてみます。
「店じまいをしたあとのゲームセンターの景品(ぬいぐるみなど)ってどうなるんだろう」と思い、一応ネットで調べてみました。
その結果、不用品として回収されたり、オークションなどで売れそうなものは売られたりするみたいです(あんまり情報が載っていなかったので本当なのかは不明です)。
もし上記の内容が本当であれば、主体はゲームセンターの閉店をきっかけに、ぬいぐるみたちを自由にしてやりたかったのかもしれません。「裏口から逃げろ」は主体なりの優しさなのかも。
評:西淳子(Twitter: @Jacky244Ray)
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