いつも大変お世話になり、誠にありがとうございます。
本日は、一点、お知らせをしたいことがあります。
短歌連作サークル『あみもの』は、2021年3月に発行予定の「第三十九号」を持ちまして、活動を終了いたします。
連作を共有するサークルを作ろうと考えたのは、思えば二年半前のことでした。
以降、毎月数十人もの方に支えられてここまで活動を続けることができました。
昨年末、あえてこちらから投稿をお願いしたところ、240人の参加があったことなど、本当に嬉しい限りでございました。
活動終了の理由としては、さまざまなものが挙げられますが、全てが編集発行をしております私、御殿山みなみの一身上の都合によるものです。
そもそも、営業マン時代の暗鬱をまぎらわせるための活動だったとか。
転勤して職種がガラッと変わり、「編集」自体は生活に必要ではなくなったとか。
結婚を経て、新たな生活リズムが生まれているとか。
こういった理由は思いつきますし、また私をご存じの方からすれば、こういった理由を推測されるのではないかと思います。
その通りです。
しかし、「では一番の理由はなんだろう」といえば、「やめたほうがおもしろい」と思ったからです。
インターネットにおける短歌の世界は、ひとつの市場です。
市場だから、さまざまな企画が生まれては続きます。
短歌の市場はそこに対価性を求めないことが多いので、その点奇特ではありますが。
そして、企画が続くということは、類似企画が発生しにくいということです。
企画を行うということは、そのジャンルにおいて「居座る」ということでもあります。
それは「あみもの」についても同様だと考えています。
私は、優れた企画は市場に長く居座るべきだと考えています。
特に、その企画者だからこそできること、というものは、代替企画が成立しにくいという意味において、一層そう感じます。
この点、「あみもの」は、「誰でもできる編集」をコンセプトにやってまいりました。
もちろん、あれだけの編集後記を書く暇人度、没入度など、我ながら変だなあと思う部分もありますが、それは「スキル」ではありません。「気持ち」です。
気持ちの問題でどうにかなる企画は、誰でもできます。
だから、このような企画は、一つのものが長く居座るのではなく、もっと様々な角度から、アイデアから、集団から、コンセプトから、おもしろいものがもっと起こるんじゃないだろうか? と思っています。
「あみもの」が終われば、なにか別のおもしろいものが立つかもしれない。
その考えをきっかけに、ちゃんと幕引きをしたいという気持ちが強くなったのです。
活動終了を来年の3月にしたのに、深い意味はありません。
私が、4月~3月カレンダーの会社に勤めているから、というものが大きいでしょう。
まあ、一年くらいかけてコンセプトのある連作を投稿くださる方もいらっしゃるので、やめるときは半年前くらいに言おうとはぼんやり考えておりましたけれど。
長々と書いてしまいました。
そういうわけで、第三十三号の締切は明日ですが、それを差し引いてもあと六回は発行があります。
こちらにつきましては、いつも通りの安定編集をさせていただければと存じておりますので、今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
また、活動こそ終了いたしますが、ひょっとしたら単発的に、特別号を立ち上げる可能性はあるかもな、とも考えておりますので、そういう意味でもご愛顧賜りますと、幸甚にございます。
以上、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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